全国的に花冷えとなった3月24日、奈良・唐招提寺参拝・奉納演舞が行われました。私は常滑の杉江満寿夫先生一行と当麻寺と天理を回って、唐招提寺に着きました。この奉納演舞には雨がついて回りましたが、今年は良く晴れました。時折吹く風に冷たさはあるものの、雲間から射す光は暖かく春そのもの。
午後1時30分より本堂中庭に集合。千年の御仏に向かって、八段錦・太極拳の演舞を奉納しました。その後、私は「太極拳は輪(循環)であり和である」と話しました。杉江満寿夫先生は「大病をしましたが奉納演舞に来ることができ幸せです」と、笑顔で挨拶。楊砂織師範は「楊名時先生が必ず買っておられた唐招提寺の鈴」のエピソードを紹介しました。
そして、私が話した太極拳の輪(循環)を表す型の「収勢」は「起勢」に続き、何回でも連続して行うことができます。今日はそのことを考えて、鑑真和上様、楊名時先生、御仏様に感謝の心を込めて、2回目の太極拳を行いました。青空には白い雲が浮かび、幼い声ながら鶯も鳴き始め、私達を称えているようでした。演舞後の皆様のお顔には、充実感が溢れていました。やはり、唐招提寺ならではの一期一会の奉納演舞です。
演舞終了後、境内でただ一本咲いていた桜をバックに記念写真。
藪椿の咲く古い土塀の径を通り、鑑真和上様のご廟の門をくぐると、そこは檜と青々とした清浄なコケの庭。その庭の奥に鑑真和上のお墓があります。一人ひとりが線香を立て、和上をお偲びしました。
唐招提寺を辞する時、青空は更に広がり寺領は春の日射しに包まれ、<大和は国のまほろば>を実感しました。
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ご廟への径や椿は高く咲き
集い来て春日の中の演舞かな
楊 麻紗記
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