(63)初伝の語句(続けて稽古するならば)

楊初伝の語句(続けて稽古するならば)

楊名時先生は指導者を育て、太極拳を普及させるために免許の階位制度を作りました。初伝・中伝・奥伝・指導員・準師範・師範の六階位です。その内の初伝と中伝と奥伝の免状には、それぞれの階位に相応しい中国語の語句が添えられています。

初伝の語句は

「行之旬有恒 久久自芬芳」。行いのもし恒あらば、久しくして芳香たりと読み、続けて稽古するならば、良い結果を得ることができるという意味。

この語句は、中国後漢時代の学者であり詩人でもあった崔子玉の座右銘から採られています。崔子玉の座右銘は、己を戒める五言二十句百字からなり、「行之旬有恒 久久自芬芳」は最後の語句です。

因みに座右銘の最初の語句は、「人の短を言う勿れ 己の長を言う勿れ」です。

楊名時先生が敢えて崔子玉の座右銘を選んだのは、太極拳を通して人格を磨いて欲しとの願いからです。

                     楊麻紗記

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