楊名時先生の健康法には、太極拳のほかに「冷水摩擦」があります。冷水摩擦をやるきっかけは、若い時からのアレルギー性鼻炎を治すため医師より勧められた、と聞いております。以来、2005年5月、川越の帯津三敬病院に入院するまで冷水摩擦を行っておりました。その間、実に50年の長きに亘ります。
冷水摩擦は昔からある健康法で、水につけたタオルを強く絞り体を擦るもので、血液の循環と代謝を高める効果があると言われております。
次に、楊名時先生のやり方を紹介しましょう。
朝食の1時間前に起床し、洗面所で上半身裸になり、冷水につけて絞ったタオルで首から腕の前後面を擦ります。そして、タオルを冷水ですすぎ、次に胸と腹、背中と腰を摩り最後に洗顔とひげを剃ります。約30分ほどかけて行うのですが、洗面所には暖房がありません。しかし、冷水摩擦を行った後の顔はピンク色になり、体がとても温かそうに見えました。
楊名時先生は、この冷水摩擦を寒中でも欠かしたことはなく、また旅行中でも必ず行っておりました。そのお陰でしょうか、風邪やインフルエンザに罹ったことは、50年間私の記憶にありません。
太極拳と冷水摩擦、まさに継続は力なりです。
楊 麻紗記