(40)気について 1 楊名時先生の気と同調

 「気」はまだ科学上はっきりと解明されていませんが、何千年も昔から「気は見えずして働きあるのみ」といわれています。

その見えない気の働きを太極拳の教室で体験してから、私は気の存在を確信するようになりました。東京の池袋教室の70年代の男性で気に敏感な人がいました。その人は楊名時先生が教室に入った途端に、首や肩を動かし始め、わなわなと震え出す始末です。そして楊名時先生が手を動かし始めると、絶叫して教室中を駆け回るではありませんか。教室の皆はびっくり仰天。しかし、楊名時先生が「大丈夫、大丈夫」と語りかけると、不思議なことにピタッと動きが止まるのです。

最初は私も驚き、頭がおかしくなったのだと思いましたが、楊名時先生が来られる度にこの反応が出るので、教室の皆も慣れてきてびっくりすることはありませんでした。

絶叫して走り回るOさんに、その時の状況を教室の人が聞いたところ、楊名時先生の気が火の玉となって体に入り、それを声を出したり駆け回って放電しないと、自分の体が木っ端みじんになってしまうのだそうです。

楊 麻紗

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