(52)胸(心)に涼風を

7月19日に、関東甲信・中国・近畿・東海地方は梅雨明けをしました。関東地方では去年より10日、東海地方では9日早い梅雨明けで厳しい暑さが続いています。一方、6日に起きた九州北部豪雨や東北地方・北海道の記録的大雨などのニュースも、連日報道されています。被害にあわれた方々に心からお見舞い申し上げます。

 さて、楊名時先生は太極拳の稽古を四季に合わせて行うと、太極拳がより深まり妙味が増すと説いています。春は春風駘蕩のように「おおらかに」、夏は「胸に涼風を」、秋は「月のようにさわやかに」、冬は「寒さに耐える強さ」です。

このフレーズは、日本は温暖な気候で四季があるので、公園や合宿など戸外で稽古を行う時の、気持ちの在りどころとイメージをいったものです。太極拳の型をただ行うのでなく、自然の光や風と一体となって舞うほうが心身ともに開放され、運動後は誰でも爽快な気分になり、健康効果が上がるのは間違いありません。また、教室という限られた空間から自然へと場が大きく広がります。私は冷暖房のきいた室内での稽古でも、楊名時先生のこの言葉を心に留め、戸外で稽古しているようイメージして太極拳を行っています。

夏の涼風は、軽井沢の木漏れ日の白樺林が私の定番のイメージです。皆様も

お好きな風景をイメージして、心に涼風を引き込んでください。

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太極拳胸に涼風引き込んで

楊 麻紗記

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