(13)八段錦の膝の屈伸

 八段錦は中国古来より伝わる健康運動で、流派もたくさんあります。楊名時先生は中学校の時に国術部に入り、馬先生より「八段錦」を太極拳の準備運動として習ったそうです。

 昭和42年1月、楊名時先生が日本で初めて太極拳の指導をされた武道館でも、馬先生のスタイルを踏襲されました。しかし、馬先生の八段錦そのままでなく、動きをより柔らかくゆっくりとしたものにアレンジしました。そして、「動く禅」としての楊名時太極拳に、心身ともにすんなりと入っていくために、欠くことのできない準備運動として完成させたのです。 

 八段錦「背后七顚百病消」の動きは、太極拳の終わったあと整理運動として行いますが、武道館時代には膝の屈伸はしませんでした。昭和50年頃、新宿の朝日カルチャーセンターで行ったのが最初だったと思います。年配者に膝痛が多いと聞き、予防のために、楊名時先生が新たに膝の屈伸を加えたものです。 

 本来は7回かかとを落とす運動ですが、教室では3回に省略し、3回目に呼吸とともに膝を深く折り曲げるやり方をとっています。

楊麻紗

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