第14回肥薩友好会研修大会を終えて

 4月20日、春の穏やかな日差しが武道館に差し込む中、第14回肥薩友好会研修大会が開催されました。東京より師家楊麻紗先生、楊砂織先生、ラドチェンコディミトリー先生、さらに愛知県からは毎回ご参加の杉江満寿夫先生始め7名と、地元の67名の皆様がご参加下さいました。

 東京、愛知県の皆さまによる演舞は、静寂の中に秘められた力強さが感じられ、肥薩友好会会員一同感動し、心からの敬意と感謝を胸に、食い入るように見学しました。

 続く、昇段審査では「心・息・動」の三位一体が試される中、胸の高鳴りと共に、指先まで意識を集中させた受験者の皆さんが、張り詰めた空気の中で力を出し切り、後の受賞の喜びをひしひしと感じておられたのが印象的でした。今回の審査では中伝3名、奥傳1名、指導員2名、準師範4名が昇段しました。

 その後、楊麻紗先生に、「呼吸と眼法について」講話を頂き、「視線(眼法)にも虚実「注視と髄視」があり、注視では思いを込めて行い、随視では軽く流れていくように行う。

また呼吸にも虚実があり、吐く息が実で吸う息が虚。呼吸法では吐く息が大事で長めに行い、春の蚕が糸を吐くように行う。呼吸の五つの法則として、①深く②長く③細く④緩やかに⑤均一に」と言うお話しをされました。

続いての実技指導は、15番の「転身左登脚」から18番の「左右穿梭」の指導を頂きました。16番の「下勢独立」では、出す足の位置と体重移動のやり方。18番の「左右穿梭」では、手を額の上に構えつつ肘を張りすぎないこと等、それぞれ丁寧にご指導下さいました。理論も交えたその細やかなご指導は、参加者にとって大変貴重な学びとなりました。

 研修会終了後、場所を鶴丸会館に移し、懇親会が開かれました。祝いの舞で幕を開け、村﨑義則会長による開会の挨拶に続き、楊麻紗先生、杉江満寿夫先生から、温かく優しい挨拶を頂きました。

 その後、楊砂織師範からご家族の紹介があり、ラドチェンコディミトリー先生から「皆さん、白い道着を着ましょう。道着を着ると気が引き締まります」と励ましとユーモアを交えたメッセージが贈られました。各教室の紹介もあり、参加者同士のつながりを深めるひと時となりました。

 余興の舞台では、村﨑義則会長、吉田美保子さんの名コンビによる「ちょんかけ独楽」が見事に披露され、脇本教室の若き美女たちによる「ふらふら」フラダンスが会場を華やかに彩りました。そして、常滑の皆様による元気いっぱいの踊り「ハイ、喜んで」は迫力満点で会場を圧倒し拍手喝采を浴びました。安来節の名手、柏木正信さんも会場を沸かせて下さいました。

 全員でのじゃんけんゲーム(負けるが勝ち)では、太極拳歴40年以上の中尾清子さんが見事優勝。そして愛知県の皆さまが準備していただいた「シニアサンバ」を全員で大合唱。最後におはら節を全員で踊り、恒例となっている柏木正信さんの一本締めで、心に残る懇親会の幕が下ろされました。これからも私たちは穏やかな心を持ち、ゆっくりと自分の中に徳を積みながら日々の稽古に励んでいきたいと思います。

文:内野 安子

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