(26)陽の気は癒しのオーラ

この世の全ての物は素粒子の結合から成り立っており、素粒子は常に振動しております。その振動からエネルギーが生まれ、振動数の違いや振動の幅によって、波長が違います。

人の生命エネルギーが体外に放出されたものをオーラと呼び、その人の心のあり様を周りの人達に伝えています。

楊名時先生の平熱は35.8度です。しかし、側にいるととても暖かく、36.5度位に感じます。これはどういうことなのでしょうか。

私流に考えれば、先天的にオーラが強いのではないかと思います。しかも、そのオーラが先生の側にいるだけで人を癒す「暖かい気」なのです。常滑のS師範は、千人も入る大きな会場で楊名時先生が舞台に登場された途端、ビリビリと痺れるような気を感じたそうです。

そのような楊名時先生と、四十数年も同じ教室で稽古を積み、呼吸を肌で感じ、気の交流ができたことは無上の喜びでした。師に一歩でも近づき、師の境地に達したいと願って、日々太極拳の稽古に励んでいます。人から「麻紗先生は楊名時先生の型と精神を、一番受け継いでいますね」といわれると、とても嬉しくなります。

楊名時先生は、常々次のように言っておられました。「僕は楊だから、陽の気が大好き」と。

太極拳をする者は、にこやかな顔でしていただきたい。心にわだかまりがあったり、悩みがあったり、体の具合が悪いと、表情が曇ります。そういう時は、顔の表情が曇るだけでなく、マイナス(陰)の気が出ていることが多いのです。それらを含め、楊名時先生は、顔の表情をにこやかにして、陰の気を出さないように心がけて欲しいとよくおっしゃっておられました。

体を動かすことで、陰の気を、陽の気に変えることができると思います。楊名時太極拳やっていますと、やり始める前は何かわだかまりがあったとしても、行ったあとは、心身共に爽快になりますので、自然に陰の気が、陽の気に変わることが実感することができるのです。同時にわだかまりも消えていきます。

物事を陰にとらえると、それが自分自身の気となり、雰囲気となって、周りに漂っていくのではないかと思います。楊名時先生は、その人の前に立つと、その人が何を考えているのか分かる、ということを申されたこともあります。私も四十数年、楊名時先生の許で太極拳を行うようになりましたら、見た瞬間、その人が持っているオーラ、気というものが分かるようになりました。私自身、陽の気を出すように心がけてお教室に入ります。

楊 麻紗

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