JR東京駅八重洲口から3分ほどの所に、本格中華とジャンボ餃子の老舗「泰興楼」があります。この店は戦後間もなく初代店主の于さんが開いたもので、3代目の現代でもその製法と味を受け継ぎ、皮もあんも毎日手作りでジャンボ餃子を作り、その味を守っています。皮は少し厚めですが、柔らかく、あんはジュウシーで、一度食べたら病みつきになる味です。楊名時先生はここのジャンボ餃子を「世界一美味しい餃子」と仰っていました。確かに美味しいです。泰興楼のほかに東京には2つジャンボ餃子店がありますが、食べ比べてみると泰興楼には及びませんでした。
楊名時先生によると、初代の于さんは外国航路のコックを勤めながら腕を磨き、工夫に工夫を重ねてジャンボ餃子をあみ出し、成功したのだそうです。また、宇さんは楊名時先生の太極拳当初からの良き理解者であり、太極拳のイベントにも出席してくださいました。私は楊名時先生のお供で、50年近く餃子を食べに泰興楼に通い続けました。このお店では、楊名時先生に特別のサービスをしてくださいました。それは、楊名時先生の好物<なまこの醤油炒め>でした。
今年は、楊名時先生が亡くなられて満10年。恒例の追悼大会は、先生の命日を6日後に控えた6月月27日に行われますが、有志による夜の打ち上げは今年も泰興楼です。世界一美味しい餃子をいただきながら、楊名時先生と初代店主の于さんをお偲びすることにしています。
楊 麻紗