2015年 奈良・唐招提寺奉納演舞

楊名時太極拳 24式  八段錦 2015年 奈良・唐招提寺奉納演舞 3月29日 01   楊名時太極拳24式  八段錦 

さる3月29日(日)、恒例の唐招提寺参拝・奉納演舞が行われました。東京を発つ時は晴天でしたが、富士川近くの新幹線から眺める富士山には笠雲がかかり、天気の崩れを表していました。案の定、名古屋を過ぎたころには雨となり、桜が三分咲きの奈良・西ノ京駅を降りた時は、無常にも雨は本降りとなりました。

 昼食所の「大納言」で雨が止むのを祈るような思いで期待していましたが、一向に止む気配がない。「今年は無理かな、いや、必ずできる」との思いが交錯する中、集合時間となり唐招提寺本堂裏の中庭に向かいました。そこには大阪、京都、常滑、東京、そして奉納演舞の段取りしてくださった地元奈良のお仲間80名が集まっていました。皆、一様に心配顔です。

 私は挨拶のあと、雨の中で笠を差しながら太極拳を舞うことを告げました。何故ならば、年に一度の鑑真和上と楊名時先生に感謝を捧げる演舞が雨で中止になると、せっかく参加してくださった皆様に申し訳がたたないと同時に、悔いが残ると判断したからです。

 傘を打つ雨音を聞きながら立禅を行い、傘を左右の手に交互に持ち替えて八段錦を行いましたが、これが意外とうまくできました。四段錦が終わるころ、中天にうっすらと太陽が顔を出し、思わず歓声が上がりました。そして、急いで傘を畳み太極拳を舞いました。雨は一粒も落ちてきませんでした。太極拳を舞い終わった時、大拍手が起こりました。無事に奉納演舞ができた安堵感と喜び、そして、奇跡にも近い楊名時先生のご加護に対する感謝の拍手だったのです。

 この後、鑑真和上のお参りに向かいました。芭蕉の「若葉して御目の雫ぬぐはばや」の句碑の道を通り、雨に洗われた鮮やかな苔庭の先に、鑑真和上のご廟があります。参加者一人ひとりが線香をたて和上様を偲びました。

 今年の唐招提寺参拝・奉納演舞は、貴重な体験と唐招提寺の不思議さを改めて感じ、印象に残るものでした。

楊 麻紗記

楊名時太極拳 24式  八段錦 2015年 奈良・唐招提寺奉納演舞 3月29日 02   楊名時太極拳24式  八段錦
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