動きが少なくて良いものを続ける

 楊名時太極拳には、八段錦と太極拳24式の二つしかありません。これは楊名時先生が1967年に日本武道館で初めて太極拳を指導されたときから、一貫して変わりませんでした。太極拳を長年稽古された師範の方から、「他の太極拳や気功を指導されたらいかがですか」との声があがりましたが、いつも次のように答えていました。

 「色々なことを知っていることが良いのではありません。大切な基本の動作や技を毎日繰り返して稽古を重ね、極めて行くことによってこそ技は深まり、心身の健康につながるのです」と。

 楊名時先生は、太極拳を健康法により重点をおいたことと、様々な年齢の方々と一緒に太極拳を学ぶ稽古スタイルを考え、その方たちが色々なことを学ぶと、新しく学ぶことに時間をとられ、心を通して深く理解することが難しい観点からの言葉です。太極拳は知識ではありません。稽古を積み重ね心と体を通して深めていくものです。

 健康法で最も大切なことは、自分の感性に合い、動作が少なくて良いものを繰り返し稽古し続けること。継続は力なのです。

               楊 麻紗記

2021/8/22

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