3月5日、東京・新宿の都庁近くにある朝日カルチャーセンター教室の懇親会が、稽古終了後に開かれました。このカルチャーセンターは今年で40周年を迎えますが、楊名時先生は設立の3か月後に、太極拳の教室を開きました。水曜日の午前1クラスだけでしたが、楊先生の人柄と健康志向の高まりにより、どんどんクラスが増えていきました。私は開講と同時に楊先生の助手を務め、楊先生が亡くなってからはその教室を受け継ぎ、稽古を続けています。
懇親会の会場は同じビル内にある京懐石の「みのきち」です。このお店は超高層ビルの48階にあり、楊先生の馴染みのお店でした。お店に入ると、玄関の突き当りにある内裏雛と北村西望の<京洛春秋>の額が目につきました。そして、お香の焚かれている広間の床の間には、立派な御殿雛が飾られていました。私は御殿雛を見るのは初めてです。皆も珍しそうに御殿雛を見ていました。説明書きによれば大正時代の作とか。
雛飾りに雛壇がみられるようになったのは江戸時代のことで、京阪神地方では御殿飾りが中心だったそうです。御殿雛は建物のなかに内裏雛を置くもので、御殿を京の御所に見立てていますが、昭和30年ごろに姿を消したと言われています。
京都では雛祭りが終わっても雛人形を仕舞わずに、1か月ぐらい飾っておくのだそうです。 この御殿雛の広間で行われた懇親会は、ひときわ印象深いものとなりました。
楊 麻紗
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