7月15日~16日、仙台の奥座敷秋保温泉のホテルクレセントに於いて、太極拳の交流会が開かれました。神山雅子先生を代表とする竹内敦門下生と養心会との初めての交流会です。外は小雨でしたが会場は地元の参加者で熱気に溢れ、大きな拍手で私達22名を迎えてくださいました。
神山雅子先生から竹内敦先生のメッセージが読み上げられた後、全員による太極拳を舞いました。鹿児島、大阪、愛知、埼玉、千葉、東京、仙台、盛岡と稽古の場所は違っても「楊名時太極拳」を愛好する者の心は同じです。一緒に舞っただけで気が通い、旧知の友になることができるのです。
さて、私は「楊名時太極拳の品格」について、楊名時先生の「僕の太極拳は宇宙教だよ」という言葉を交えながらお話しさせていただきました。その真意は何ものにも拘らずに、大きな心で太極拳を舞うことが大切。そのためには、打算や損得を考えてはならない。楊名時太極拳は競技ではなく、動く禅であり、気功であるから自分の心身との対話と浄化を求めるものである。従って、自由無碍で素直な心で舞えば良い気が出る。その気が仲間を癒し仲間の気が自分を癒すのです。皆様は頷きながら、私の話を熱心に聞いてくださいました。
講演の後、私達と仙台の師範の方々による演舞披露がそれぞれ行われ、私も不十分ながら模範演舞をいたしました。
そして、温泉にゆっくり入り汗を流し、6時からの懇親会に臨みました。料理と銘酒に舌鼓をうちながら、仙台の方々の心尽くしの余興に酔いしれました。
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翌16日は朝から見事に晴れ渡りました。ホテルの広い芝生の庭で早朝稽古です。空は秋のように澄み、借景の山の緑は深く、鳥の声も聞こえ、朝露に濡れた芝生の湿りが裸足の足裏から伝わってきます。室内では味わえない大自然の中で一期一会の早朝稽古ができました。全員、発した言葉は「気持ちいい!」
朝稽古のとき、面白いことがありました。私の右手の親指にトンボが止まり、じっとしているのです。私は楊露禅のツバメの逸話を思い出し、右手を動かさないようにして腕を使いました。2番から6番までトンボと一緒に舞うという貴重な体験をしました。
今回の交流会は震災の復興を願う祈りを込めた会で、その趣旨が生かされておりました。色々なしがらみがある中、今回の交流会を開いてくださいました神山雅子先生の勇気と、一門の方々に心から感謝いたします。そして、同行の養心会の皆様、有難うございました。
養心会主宰 楊麻紗
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