和を以って貴しと為す
3月26日、毎年恒例の唐招提寺参拝・奉納演舞が行われ、東京、愛知、三重、京都、そして地元奈良の皆さんが大勢参加して下さいました。どういう訳か、この唐招提寺参拝には雨との縁があります。例年ですと山門をくぐると雨が止み、本堂裏で演舞を行う時には薄日が指すか晴天になることが多いのですが、今年は違っていました。朝はすばらしい晴天で、午後山門をくぐる頃には雨雲が空を覆い、演舞が始まった時はポツリぽつりと雨が落ちてきました。
それでも少し肌寒かっただけで、千年の御仏に真向かい立禅、用手、24式太極拳と無事奉納演舞ができました。感謝!感謝!です。演舞の後、私は昨日訪れた法隆寺に於いて楊名時太極拳で最も大切にしている「和を以って尊しと為す」の言葉に出合ったことを話しました。それは一緒に行った仲間のご朱印帳に何を記すのか興味深く拝見していましたら、お坊さんが達筆で以和為貴の4文字を丁寧に書かれたのです。その4文字を見て、私は楊名時先生が常々説かれていた聖徳太子憲法17条・第一条のこの言葉を思いました。そうだ!「和」を何よりも大切にして争わぬことが、楊名時太極拳の核心であることを改めて思い起こしたのです。
大阪から参加して下さった茶木康晴師範は、膝を痛めていたため演舞は行いませんでしたが、ご自分の体験からかかとを落とす第八段錦はほどほどに行うのがよろしい、と話されました。また、杉江満寿夫師範は常滑を出る時は土砂降りでしたが、ここは曇りで本当に神仏に守られていると思います。その上に気場も高く、気持ち良い太極拳ができましたと、挨拶されました。
境内の早咲きの桜の前で記念写真を撮った後、鑑真和上様のご廟へ向かいました。大きな香炉には中国の方がお参りしたと思われる長い線香が立てられており、私たちはその回りに一人ずつ線香を立て先哲をお偲びしました。
この後、自由解散となり大阪、東京、奈良の皆さんと唐招提寺近くにある大納言というお店で、わらび餅を頂きながら茶話会を行いました。奉納演舞の世話役をして下さった平山裕子師範への感謝と親睦を兼ねたものです。
午後4時過ぎに大納言を出る頃には、雨は本降りとなりました。
楊 麻紗記
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