楊名時先生と三国志の周瑜

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東京では今、諸葛菜が花盛りです。ショカツサイと読むこの花の漢字「諸葛」は、『三国志』の諸葛孔明が、戦場・遠征のとき軍隊の食料にしたことに因んだものです(※)。私は高校時代に、吉川英治の小説でこの名を知りましたが、オオアラセイトウ、紫花菜とも呼ばれています。中国が原産で、江戸時代に日本に渡来したそうです。

『三国志』とは、ご存知の通り中国の後漢・三国時代に中国統一を目指して活躍した英雄たちの記録で、歴史書としての三国志と物語としての三国志演義の2つがあります。日本で読まれているのは三国志演義で、この本は蜀の立場で書かれたものです。三国志が多くの人に愛読されるのは、英雄たちの生き様ではないでしょうか。

楊名時先生も私も三国志が大好きで、ドラマなども一緒に観ました。その時、楊名時先生は、中国の男性は三国志の登場人物の誰かに当てはまる、と教えて下さいました。では「先生に当てはまる人物は誰ですか?」と、お聞きすると

「僕は周瑜だよ。周瑜は呉の名将軍で、家柄がよく美男子で知略・武略に優れ、曹操や劉備からも恐れられ人物だが、36歳で急逝。悲運の名将と呼ばれた周喩には、一つ欠点がある。それは短気だったこと。そこも僕との共通点」、と話されました。

「君の好きな人物は?」と聞かれ

「蜀の諸葛孔明」と、即答しました。

「彼のどこに魅かれたの?」

「軍師としての冷静さと劉備への忠誠です。出師の表は涙なくして読めませんでした」

「そんなに孔明が好きなら、孔明の名句を色紙に書いてあげよう。太極拳にも通じる言葉だから」

と、その場で書いて下さったのが掲載した色紙です。

句の意味は、<私欲を捨て淡白でなければ、志を明らかにすることができない。また、心安らかで落ち着いていなければ、遠大な境地に到達することはできない>ということです。

この色紙を頂いたのは約20年前のことですが、諸葛菜の花を見ると、つい最近のことのように思われます。

                       楊 麻紗記

2020/4/19

※ショカツサイは栄養が豊富で、すぐ伸びるため、戦場・遠征のとき軍隊の食料に適している。

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