唐招提寺奉納演舞と初めての一人旅

 令和5年3月26日・日曜日、コロナ禍で中止していた「奈良・唐招提寺奉納演舞」が4年ぶりに開催されました。煌びやかな京都も良いのですが、どちらかといえば落ち着いた奈良の方が好きな私には、唐招提寺の奉納演舞の再開は嬉しいニュースでした。

 しかし、この3月下旬から4月上旬頃は「菜種梅雨」「桜雨」「春時雨」という言葉があるように、雨が多い時期です。私自身は今回で3回目の参加ですが、3回とも雨模様でした。
 これまでの2回は仕事の関係でいずれも早朝の新幹線で奈良へ行き唐招提寺で舞い、終わると同時にとんぼ返りの弾丸旅でしたが、今回は4年ぶりの再開という事もあり、生まれて初めての一人旅で前乗りし、早朝からプチ観光をして唐招提寺を目指す事にしました。

 宿はJR奈良駅直結のスーパーホテルへ20時着。天然温泉の大浴場にのんびり漬かり、翌日に備えます。そして、当日の26日は奈良公園、大仏殿、阿修羅像のある興福寺を巡り唐招提寺へ向かいました。  集合時間に余裕がありましたので、唐招提寺のお庭を散策。雨に濡れた青々とした苔の庭や、並木道の鏡の様な水溜りに映る落ち椿等、非日常の美しい空間を堪能し、いよいよ奉納演舞への気持ちが高まってきました。

 麻紗先生や皆さんと合流し、いざ本番。生憎の雨の中、師家・楊麻紗先生を中心に各地方から約70人の会員が傘を差したりカッパを着たりと、思い思いの形で演舞を開始しました。すると不思議な事に皆で舞っていると、奉納演舞の間だけ雨が弱まるのです。

 これも楊名時先生が雲の上から演舞する私達を見守ってくださっているのかもしれません。皆さん悪条件に文句を言うのではなく、楊名時太極拳ならでの「おおらかで些細な事に拘らない、一期一会の太極拳を楽しむ」その空間は、組場帯功に満ち溢れ細胞の一つ一つが多幸感で弾けるようです。
 そして、不思議な事に今回初めて奈良から帰って数日は、丹田に気の貯えを感じながら過ごす事が出来ました。楊名時太極拳と出会い、自分の心身が少しずつ良い方向へ変化していくのを年々歳々実感しています。楊名時太極拳に出会えて、私は本当に幸せです。

 これからも師家・楊麻紗先生、師匠である楊砂織先生にご指導頂き、いつか命が尽きるその日まで一日でも長く楊名時太極拳を続けていく事が今の私の目標です。

中里千恵子

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