楊名時先生を偲ぶ太極拳交流大会及び総会・関東地区審査会

 5月18日(木)、東京・綾瀬の東京武道館に於いて「楊名時先生を偲ぶ太極拳交流大会及び総会・関東地区審査会」が開催されました。当日は真夏日となり暑かったのですがそれでも新緑を渡る風は気持ち良く、岩手の久慈市、愛知の常滑市の遠路をはじめ、東京近郊から70名近くのお仲間が集まりました。

 服部洋之師範の司会進行のもと、開会宣言、総会に入りました。総会では令和4年度の「活動報告・活動計算書・5年度の予算書」と、年会費3,000円(家族会費5,000円)が拍手で承認されました。

 次に、楊名時先生を偲ぶ太極拳交流大会では、楊名時先生に1分間の黙祷を捧げ、楊麻紗先生が参加者に謝辞を述べられた後、杉江満寿夫先生が名古屋の市民会館の大会場で開催された楊名時先生の講演会で、楊名時先生が壇上に上がった時、ものすごい気(パワー)を感じたということを、熱く語って下さいました。

 そして、楊名時先生の遺影を前にして1回目の全体稽古の始まりです。天井が高く松の板張りの床の会場は、足の運びも滑らかに行われ、ゆったりとした流れの太極拳の舞いでした。      

 心身が解れたところで審査会に移り、範3名、指導員2名、中伝1名の方が受審。それぞれ違う教室で稽古された方々でしたが、同じ教室のように揃っており、流れも良く、麻紗先生からお褒めの言葉を頂きました。その後、師範の方々に麻紗先生から免状が授与され、参加者から寿ぎの拍手が送られました。

 10分間の休憩の後の麻紗先生のご講話は、楊名時先生が亡くなられて今年で18年になりましたが、麻紗先生は楊名時先生が亡くなられた年齢と同じ80歳になり、ここまで病気をせず元気でこられたのは太極拳のお陰と思っております、との挨拶から始まりました。そして、楊先生が来日してから愛好している空手の日本空手選手権試合で、「型の部」で試合中は1位だったのが、試合後の発表では2位になり、その差はたったの0.5。しかも1位になったのは友人だったそうです。その時の勝負の非情さを思い知らされことから、楊名時先生は太極拳に於いて「技の競い合いではなく、健康法一本のみで行う」と、決心されたのだそうです。

 その時の決心を、楊名時先生は「一時を争わずして千古を争う」という言葉で表現しています。勝負は一時、健康で長く生きる事に勝負(専念)する」ことが、人生において最も大切という意味です。

 次に麻紗先生から参加者全員の紹介がありました。後半の団体稽古、前半にもまして緩やかな動きに加えひとり一人の和の気が醸しだされており、楊名時先生への感謝が表出された演舞となりました。

 そして、令和5年度から新理事になりました愛知・常滑市の榊原敬三師範、埼玉・ふじみ野市の有村まさ美師範(仕事により欠席)が紹介されました。   

 閉会の辞の楊砂織師範は、「これからも楊名時先生の訓えを守り広めていくために、審査会などを積極的に行いたいと思いますので、ご協力をお願い致します」、と述べられました。好天に恵まれ、皆様のご協力により楊名時先生を偲ぶ太極拳交流大会及び総会・関東地区審査会は、滞りなく終了することができました。心から感謝申し上げます。

 (事務局記)

                                                 

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