去る9月25日、東京日比谷公園内にある松本楼で食事会を開きました。志木教室の昇段審査合格のお祝いのためです。
日比谷公園は明治36年に日本で初めて造られた洋式公園で、松本楼はこの公園と同時にオープンしました。官庁街にポッカリ展けた緑豊かな公園に、往時を思わせるような洋館のたたずまいです。当時は夏目漱石や高村光太郎など、多くの文人の憩いの場にもなったそうです。
また、1階ロビーには、孫文夫人である宋慶齢が弾いたピアノが展示されていました。革命の父・孫文は松本楼の馴染み客で、宋慶齢との出会いは、松本楼の現社長夫人の祖父にあたる梅屋庄吉の邸宅だったそうです。梅屋庄吉は一生を通じて、孫文を物心両面で支えた人です。
昭和46年秋、放火により松本楼は焼失しました。日本全国から支援の手がさしのべられ、昭和48年9月25日に、新装再オープンすることができました。その時の記念行事として、「10円カレーチャリティーセール」が始まり、現在に至っているとのことです。
私たちの食事会は、まさに「10円カレー」の日でした。何も知らずに公園に入って驚きました。人、人、人です。長蛇の列が、二重三重の人垣を作っているのです。私たちはそんな人垣を避け、木陰で食事前の太極拳をゆったりと舞いました。40年前真夏の日比谷公園で、太極拳のデモンストレーションを行った楊名時先生を思い出しながら...。
食事も大変美味しく、日中の歴史と楊名時先生を憶う、有意義で楽しい食事会でした。
楊麻紗記
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