1月5日(火)、「2010年新春初稽古」のこの日も、楊名時先生が私達のために穏やかに晴れ上がった新春の青空を用意してくださいました。
楊家養心太極拳の、いまや恒例となった東京武道館での新春初稽古に、「新年の計はここにあり」と各地から集った大勢の同心の皆様は、明るい笑顔で再会とお互いの健康を喜び合いました。
恒例の太鼓の音で始まった初稽古は全員での八段錦、心を一つにした二十四式と続き、みないっそうリラックスして太極拳健康美人となりました。
楊麻紗先生のご講話は、東京湯島聖堂孔子廟での年初の素読会で、楊名時先生がよく語っておられた論語の一節「罷めんと欲すれども能わず」の出典に偶然に再会したというお話でした。
孔子の教えは、何千年の歴史の中で受け継がれてきた、人として持っていなければならないことで、楊先生もそれを一番大事に説いておられました。
楊名時先生を始祖として仰ぎ見つつ、太極拳24の型を通して心を磨き、教養を深め、その深めた目で世の中を見れば深い真実が見え、礼(けじめ)をもった友との接し方の中に仲良くすれば、争いはないでしょう。
楊名時先生は、「太極拳は止めようとしても止められないのだよ、つまり10年やればもう止めようと思っても止められない。太極拳は中毒になってよろしい。そうならないと本物にならない」とおっしゃっていたそうです。
この境地にすでに達した方々も、少し感じ始めた方々も、太極拳を始められたばかりの方々も、太極拳ができる幸せをそれぞれに感じながら、楊家養心太極拳が孔子廟の庭にある楷(かい)の大木のように樹勢正しく太い幹となれるように、ことし一年また稽古を続けていきたいとの思いを共にいたしました。
(牧野智子記)
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