栃の実

「栃の実」 写真提供:楊麻紗先生   楊名時太極拳24式  八段錦  

写真提供 楊 麻紗先生

9月18日、11月の指導者研修会の申し込みのために、新宿スポーツ館に行った時のことです。この日は秋晴れで、日差しは強いのですが副都心でも吹く風は涼しく、秋本番の心地良さでした。

 スポーツ館は新宿の外山公園の中にあり、春訪れた時、常緑樹の木々はかなり剪定されていたのですが、今は枝を張り深緑の公園に姿を変えていました。自然の成長力の強さに目を見張りました。

 その公園に、思いがけない木の実が落ちていました。なんとそれは「栃の実」だったのです。私はそれが日本固有種かヨーロッパのマロニエなのかを確かめるために、種子のさやをよく見ました。すると、棘がありませんでしたので日本の固有種であることが分かりました。こんな都会に栃の実が落ちているなんて珍しいなーと思い、数個拾って帰りました。お教室の皆さんに見せるためです。

 栃の実は昔から、飢饉や災害時の非常食として用いられていました。また、栃の実はサポニンを多く含みとても苦いので、灰汁を抜かなければなりません。これに手間ひまがかかるのです。私の故郷・新潟の山間の村では、正月に栃餅を食べる慣わしがありますので、灰汁抜きの仕事を手伝わされました。10年前に母が亡くなってからは通販で栃餅を買い、正月に食べています。

 新宿の公園に落ちていた栃の実は、故郷の思い出と共に秋の深まりを感じさせてくれました。

                                           養心会師家 楊 麻紗

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