三輪紘子・河南町教室は近くに桜の名所が数多くあることから、今年の河南町教室の昇段審査を例年の桜シーズンの4月5日に、桜の下で天女が舞うが如く優雅な演舞をしていただこうと計画をしました。しかし、前日までの暖かさにより当日までに桜は全て散ってしまい、葉桜の状態となってしまいました。逆に当日は数日前と裏腹に外気は本来の4月に逆戻りし、大きな寒暖差で身も引き締まる状況となってしまいました。
会場は桜の花の散った名残と、新たな芽吹きの新緑、外気が折り重なり昇段審査の雰囲気は、いやが上にも例年以上に盛り上がりました。そのような中で普段見慣れている人の演舞であるのに演舞が始まると、演舞者の緊張感、優しく、伸びやかに演じようとしている動作が、見ている人々に強く、敏感に伝わり、私たちの心までいつもと違う引き締まる思いで見せていただきました。
一方、カメラマンは買い換えたばかりのカメラを手に、シャッター操作に苦労しながらシャッターチャンスのタイミングに苦労している様に、撮影者までもが演舞者同様、注目を集める始末となってしまいました。
昇段審査が終わり、同じ場所で普段の練習を一通り実施しました。会場が通常の床と異なり土でしたので、その土の感触を楽しみながら演舞した人、小さな段差でバランスを崩すなどの悪戦苦闘した人など、それぞれの体験を重ねながら、いつもと違う楽しい練習を終了しました。
その後、新緑の下での会食となりました。小林一茶は「死に支度、致せ致せと、桜花」とはかない桜の寿命を人の命に例えて歌っていますが、私たち凡人は花より団子、悟りの前の語らいのひと時を十分に楽ませていただきました。これも昇段審査のお蔭と、皆々に感謝、感謝のひと時を終えました。
武田 穰記
コメント