審査を終えて

 6月1日、ふじみ野土曜教室において田原隆康準師範の師範審査とともに他6名の審査が行われました。私も準師範の審査を受けました。
 ほどよい緊張感と静寂の中で、今回は他の人と動きを揃えようと意識をするまでもなく、自然に一人一人の動きが連動し気持ちと呼吸が揃い心地よく太極拳を舞うことができたと感じました。
 楊麻紗先生をはじめ楊砂織先生、ディミトリー先生、有村まさ美、中里千恵子両師範、土曜教室の皆さんのお力添えで、このような良き時間を共有できたことに感謝申し上げます。

 私は15年前に癌の手術を受けました。忙しく働いていた時期で、まさに青天の霹靂、その現実に自分の心が追いつかず抗がん剤治療中にうつ状態に陥りました。当時の主治医や友人の勧めもあり帯津三敬病院を訪ね養生塾を見学しました。それが私の太極拳との出会いでした。養生塾で太極拳、帯津良一先生の講話、気功に参加しているうちに次第に体と心が回復してきました。体力も戻ってきたので地元の公共施設で働くことになりました。
 するとその年のことです。ふじみ野市に教室をお持ちの吉野テル先生から偶然にも当施設で砂織先生の教室を開けないかとご相談を受けたのです。大げさなようですが、その時私は第二の人生が動き出したように感じました。そして砂織先生の教室立ち上げのお手伝いをし、自分も入会して第一期生となりました。その後教室も増え、私も帯津先生をお招きして講演会を開いたりして様々なイベントの企画に携わり、忙しくも充実した10年間を過ごすことができました。
 もし私があの時期に病気にならなければ帯津先生に会いに行かなかったでしょうし、太極拳を知ることもなかった、砂織先生に出会うこともなかった、と思うと人生はなんと不思議で面白いことでしょうか。
 今私は別の持病に悩まされていますが、今できることを楽しみ、抗わず焦らず「体が微笑むような太極拳」を続けていこうと思っています。

ふじみ野土曜教室 大島紀子

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