2024年5月23日(木)、東京・綾瀬の東京武道館に於いて「楊名時先生を偲ぶ太極拳交流大会及び総会・関東地区審査会」が開催されました。薫風が心地よい好天に恵まれ、遠方からは岩手、新潟、大阪、愛知、そして東京近隣から総勢55名のお仲間が参加して下さいました。
午後1時、大会開催の宣言の後、第一部はNPO法人太極拳養心会の総会が始まりました。
司会進行の服部洋之師範から、配布された資料の「2023年度活動報告・活動決算書・2024年度活動予算書」の説明が行われ、拍手を以て承認されました。そして、役員の紹介がありました。
続いて、第2部の楊名時先生を偲ぶ太極拳交流大会に移り、会場中央に飾られた楊名時先生の遺影に1分間の黙祷を捧げました。
楊麻紗先生から「今年は楊名時先生生誕100年に当たり、亡くなられてから19年になります。楊名時先生が太極拳を通して何を教え、何を伝えてたかったのか、を思いながらお偲び致しましょう」と、挨拶されました。その後、来賓の杉江満寿夫先生からは「私が30数年前楊名時先生にお目にかかった時、気の凄さに圧倒されました。そして楊名時先生が亡くなられて段々と太極拳を取り巻く気が枯れてきたように思います。この気を高める努力を致しましょう」、と述べられました。
柔らかく穏やかな気が流れる中、第1回目の八段錦・太極拳の全体稽古が始まりました。
演舞後の何と気持ちに良かったこと。いつもとは違った爽快感を覚えました。そして、審査会の始まりです。師範7名、準師範2名、奥伝2名の皆様が河原達師範の先導の下粛々と演舞が行われました。審査後の講評で麻紗先生から「柔らかい気の流れの中、11名の動きが揃っており、安定感のあるとても良い演舞でした」と、お褒めの言葉を頂きました。師範7名に麻紗先生から免状が授与された後、受審者による写真撮影です。
麻紗先生のご講話は、楊名時先生生誕百年に寄せて、楊先生から伺った言葉の中で一番印象に残っている「一以て之を貫く」についてでした。この言葉の出典は『論語』で、孔子が弟子の曽参に「私の道は忠恕で貫かれている」と語ったことによるものです。忠は正直、恕は相手を思いやることですが、楊名時先生は「許すこと」と解釈されています。相手を許すことは自分を解放することに他かならないからです。また、楊名時先生が太極拳を健康法として八段錦と太極拳24式のみを指導法として貫いた姿勢に、強い意志を感じましたと、熱く語りました。
10分間の休憩の後、麻紗先生から参加者の紹介があり拍手で歓迎。そして、全員による2回目の太極拳24式、八段錦を楊名時先生の教えを胸に行いました。
最後に楊砂織師範の「参加者への謝辞と研修会等へのご協力を」との閉会の辞で、楊名時先生を偲ぶ太極拳交流大会及び総会・関東地区審査会が、皆様のご協力の下滞りなく終了しました。
事務局記
写真:事務局、榊原敬三様
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