夏鶯

梅雨のうっとうしい日が続いていますので、気分を少し明るくするために夏の鶯について書いてみようと思います。

私は、新宿高層ビル群を一望できるマンションの5階に住んでいます。幹線道路に面した建物ですが、氷川神社の敷地内にあるため、緑も多く春になると鶯の美しい声を聞くことができます。10年前、初めて鶯を聞いた時は、「まさかこんな都心で?」と信じられませんでしたが、その声は神社の小藪から聞こえ、一週間ほど鳴き続きました。

以来、私は鶯の来訪を心待ちにするようになったのです。所が、今年はその鶯が来ませんでした。道路の舗装工事か又は天候不順のためなのか、その理由を考えたり仕事でバタバタしている間に、季節は春をと通り越して、夏になってしまいました。

鶯は「春告鳥」の別名が示すように、春の到来を感じさせる鳥ですが、2月初め頃山で鳴くのは「笹鳴き」、平地に下りて美声で鳴き始めるのは3月頃と言われます。そして、また山に戻り夏に鳴くのが、「夏鶯」や「老鶯」と呼ばれます。

楊名時先生のお墓は高尾山系の麓にあり、私たち家族は毎月の墓参りを欠かしたことがありません。6月の墓参は好天に恵まれ、夏鶯がしきりに鳴いていました。今年自宅で鶯の声を聞くことができなかっただけに、その感動はひとしおです。身も心も洗われました。

楊 麻紗

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