三峡下り

木村鎮夫さん 「三峡下り」 01    楊名時太極拳24式  八段錦  

7月の末から8月の初めにかけて、8日間の長江三峡下りを中心にした旅に出かけてまいりました。

最初の3泊4日が三峡を下る船旅、残る4日が長江沿いの詩蹟を訪ねる旅です。

「暑」

中国では、重慶、武漢、南京を3大竈と呼んでいるようですが、訪れた重慶、武漢は聞きしに勝る暑さでした。

連日の42~3度の気温に加え、長江から立ち上る大量の湿気のため、船から一歩出かけるとたちまちのうちに全身汗だらけ、体の大きな西洋人などは汗をポタポタ落としながら歩いており、地元の人々は半ズボンにサンダル履きでシャツをたくし上げてお腹をだしている始末です。

「大」

それにしても長江は大きい。

李白が「孤帆の遠影 碧空に藎き  唯見る長江の 天際に流るるを」と詩っているのは決して大げさではないことが解りました。

また、三峡ダムに至っては、宜昌で上流600kmに亘って長江の水を堰き止め、それまでの水位66mを172mまで嵩上げし、沿岸の住民150万人を移住させたというのですから、これまた半端な話ではありません。

その昔、李白や杜甫が仰ぎ見ていた山城の白帝城は、今では、山の麓が水に浸かり島の上のお城になってしまっておりますのに、加えてこの計画の最終目標は水位175mまで上げることだというのですから驚きです。(ただし、この最終目標は土壌崩壊の危険と、さらに2百万人を超える住民の移転を要するため実行に移せないでいるようですが・・・・・)

「太極拳」

船旅の間は、毎朝、ホールで中国人の先生が太極拳を教えており、青い目の男女と日本のご婦人方が見よう見まねで楽しんでおりました。

また、嬉しいことに、旅の最終地、上海の書店で、竹内彰一先生とご親交を結ばれていらっしゃる崔仲三先生の著書「楊式太極拳体用図解」を見つけ買い求めることができました。

「詩蹟」

三峡下りの後は、白楽天、白行簡、元慎が遊んだ三游洞、陶淵明の所縁の地、廬山の花径等を訪れ、詩の世界に浸ってまいりました。

脳裏に焼き付いた長江のうねりと共に、今後の詩読の味わいを深めてくれるものと存じております。

木村鎮夫

木村鎮夫さん 「三峡下り」 02    楊名時太極拳24式  八段錦  

コメント

PAGE TOP