(32)正月料理・大根餅

皆さま、「大根餅」をご存じですか?大根餅は中国のお正月料理には欠かせないものです。私が初めて楊名時先生と大根餅を食べた時、「え、これが餅?」と驚きました。私は日本の餅をイメージしていたのですが、大根餅はもち米ではなく、上新粉と浮き粉とよばれる小麦粉で作るのです。

 水で溶いたその粉に大根の千切りを混ぜ、うま味を出すために中国ハムや干し椎茸、干し貝柱、干しえびなどを加えてセイロで蒸すものです。とても美味しく、しかも消化の良い料理です。

 楊名時先生は毎年暮れの30日、横浜中華街の「有昌」で大根餅を買い求めていました。直径25センチ、高さは10センチぐらいの大きな大根餅です。これを横浜から電車に乗って持ち帰るのですから、楊名時先生はいかに大根餅がお好きだったか、お分かり頂けると思います。

 食べ方は、日本のお餅ぐらいに切り、フライパンに油をしいてこんがりと焼き、しょうが醤油で頂きます。

 楊名時先生だけでなく、帯津良一先生も大根餅が大好きで、お酒を酌み交わしながらの夕食を、楊名時先生のお宅で楽しまれておりました。

楊名時先生が亡くなられて、7年が経ちました。

楊 麻紗

PAGE TOP